同人誌『GA-GYU』(ガギュー/創刊号)

1992年7月、作家故佐藤泰志氏の小説を通して知り合った函館在住の詩人荒木元氏と、同人誌「ガギュー」(誌名は、「臥牛山」函館山にちなんでつけられる)を創刊。
自らが編集長を務める。
創刊号で辻仁成は次の言葉を寄せている。

「創刊にあたって」
創刊するということは、生むということだと思う。
産み落とすには、想像以上の力と忍耐が必要だった。
「ガギュー」にしても、かなりの難産であったことを言わなくてはならない。
僕も荒木さんも、そして原稿を下さった方々も、創刊号がいつ生まれてくるのか、忍耐強く待ち続けていた。
作っている側が待つというのは、おかしな話だが、同人誌は、それでいいのだと思う。
生まれてくる日は、時代のみが知っているのである。
更に、「ガギュー」は、佐藤泰志さんの残した文学的功績が、地方都市函館に蒔いた種の一つであることをつけ加えなくてはならない。
僕と荒木さんが、佐藤さんの小説を通して、この「ガギュー」創刊を決意したのだから。
創刊号は、当然佐藤さんのことに多く触れている。
充分ではないが、これからも、機会あるごとに、佐藤さんの小説空間を伝えて行きたい。
又、僕達自身そうして、小説を学びたいとも思っている。
この「ガギュー」という、新しい子供が、いったいどれほどの人達の目に触れるのかはわからないが、手に取って下さった人達一人一人の心に、何かが残るものにしていきたいと思っている。
僕達は、「ガギュー」を生んだが、大事なのは、育てていくことである。
生む以上の苦しみが待ちうけているのだろう。
第二号がいつ生まれるのかは、やはり、時代のみが知っていることだ。
その日まで、僕達は再び、こつこつと原稿のますを埋めていくしかないのである。
少しでも、発表の場を求める方々、もし、何か感じるものがあったなら、ぜひ同人に参加していただきたい。
「ガギュー」は、多くの、そして埋もれがちな才能を待っている。
(1992.6.20 辻 仁成)

臥牛舎:1992年7月 同人文芸誌
価格:¥500(税込)
形態:82ページ
※その後、「ガギュー」は第3号まで刊行され現在休刊中です。