辻 仁成 ソロシングル
「嵐の夜に生まれて」

移籍1弾が「ロックの辻仁成、復活!」というコピーだった辻仁成。
その彼のコンサートが6月に東名阪で行われた。中でも日比谷野音には特別な意味があった。
94年6月12日、その日は雨だった。
野音はエコーズの解散コンサートが行われた場所なのだ。
そこに彼は再び立っていた。
そしてその瞬間、彼のロック・アーティストとしての歴史がつながった。
コンサート終了後に、「エコーズのことが思い浮かんだ途端、景色が真っ白になっちゃったんだ。」と教えてくれた。
「そのあと、我に帰ったら、もうあとは燃えたよ。」と笑いながら言った。
実際、その日のライブは素晴らしかった。
ステージで歌う辻仁成の体から煙りのような湯気が立ち上っていると気付いた時、「新しい辻仁成が、嵐の夜に生まれた。」と感じたことを彼に告げた。
彼はとても気に入ったようだったが、なんとそのあと数日後に、電話越しに「嵐の夜に生まれて」という新曲を聞かせてくれたのだ。
その新曲を聞き終えたあと、これはシングルとして仕上げるべき曲だ、と二人とも感じていた。
バブル崩壊、高度成長時代の終焉。不安だらけの世紀末。
そんな今の時代が「嵐の夜」としたら「嵐の夜に生まれた」子供達とは今を生きる僕達のことなのだ。
だからこの歌は子守歌のように優しく、交響曲のように力強く仕上げたいね、と話して、僕達は電話を切った。
また次も最高の作品が生まれそうだ、そんな予感を抱きながら。(プロデューサー談)

■PONY DANYON
 1994.10.21
 CD:PCDA-00656/価格¥1.000(税込み)